Andersonを選んだ人の中には、地の利を活かしたエンターテイメントビジネスに興味のある方も多いと思います。また、直接キャリアとしなくても、少しハリウッドのビジネスの仕組みを知っておきたい、という方もいらっしゃるでしょう。最近はテック企業も参入し、変化が著しい業界でもあります。ここではそういう方々の為に、Andersonならではとも言えるエンターテイメント関連の授業についてご紹介します。取れる授業は大きく分けて、AndersonのMBA Program内の授業と、UCLA Film SchoolのProducer’s Programの授業になります。(※最新の状況と異なる可能性がある点、ご了承下さい)

 

Shoot Out! A Romantic Adventure in Filmmaking

Guber教授は、Batman、Rainman、Terminator 2、Cliffhanger、I Know What You Did Last Summer等数々の大ヒット作を生み出したハリウッド映画業界きっての名プロデューサーであり、Mandalay Entertainment Groupの会長でもあります。本コースは、同教授がUCLA のビジネススクール、フィルムスクール、ロースクールの学生のために2年に2度開講している大人気コースです。同氏は大ヒット作を連発した自身の映画制作会社をSony Pictures Entertainment社に売り、その後同社のCEOとして、劇場映画市場にて第1位のシェアを築き上げ、同社をアカデミー賞ノミネート映画を最も多く製作する会社に育て上げました。本コースでは、こうしたハリウッドでの30年以上にわたる類稀な実績と経験を基に、同氏がエンターテイメント業界における成功の秘訣を情熱的に語ります。同氏の強烈なカリスマ性に惹き込まれてあっと言う間に時間が過ぎてしまう、UCLAならではのユニークなコースと言えます。また、映画監督、プロデューサー、脚本家等をゲストとして迎えたり、新作映画の脚本を公開前に読めたりと、映画好きの人にはまさに夢のようなコースです。

 

Entertainment Marketing

Andersonのマーケティングの人気教授Prof.NeilとTV業界の権威であるProf.Fronsが教える人気の授業です。この授業では、二人が、効果的なOne Sheet(ポスター)やtrailer(予告編)の作り方から、公開時期の選定、海外への展開など、映画のマーケティングに必要な一連の課題を教えます。また、ハリウッドでお蔵入りになってしまった本物の台本を渡され、どのようなマーケティングを行ったらよいかのプレゼンを行ったり、実際の映画配給会社の公開予定の映画を取り上げ、その会社のExecutiveに対して効果的なマーケティング戦略の提案を行います。毎回の授業には、ゲストスピーカーとして、ハリウッドの製作現場の一線級で活躍する人たちが招かれ、彼らが日々の業務で直面する問題点や映画業界の最新動向など、ハリウッドの生の声を聞くことができます。映画業界はもちろんエンターテイメント業界を目指す人にとっては必須といってよい授業です。

 

Examining the Video Game Industry

ゲーム業界についての唯一無二の授業。これまでのゲーム業界の歴史から最新の技術や潮流を踏まえて、今後ゲーム業界のビジネスモデルがどうなっていくかを毎週2本以上のケースを読みながら分析していく。任天堂、SONY、SEGAといった超有名日本ゲーム会社のケースも扱うことから非常に日本人にとっても親近感がわく授業であり、ゲストスピーカーもMicrosoftやSIEのC suiteのレベルを招き、XBox OneやPlaystation5をどう構想/開発/展開してきたのかを生で聞くことが出来る。ゲーム業界に少しでも興味がある人は、ビジネスを学ぶことが出来る絶好の機会となる。お薦め!

 

Innovations in Sports Marketing

スポーツ(eSport含む)業界のマネタイズについて、RevenueのエコシステムのMain Driverを成すリーグ、チーム、アスリート、メディアに切り分け分析していく。昨今のCOVIDやデジタル化に伴い、スポーツ業界のビジネスモデル自体の構造が大きく変化していく中、どのようなマーケティング施策が効果があるのか、またそれによって、各メディア媒体がどのような動きをとっていくのか、豪華なゲストスピーカーはもちろん、生徒同士のディスカッションベースに授業を進めていくところが、他の授業にはなく面白い。

 

Entertainment Business Model

エンターテイメント業界のあらゆるジャンルにおいて、実際のケースを読みながら、各ビジネスモデルを分析する。特に、DtoC/SVOD/AVODやGreen light model等エンタメを学ぶ上で欠かせない概念について学びながら、映画・スポーツ・ゲーム・TV等の大企業CXO(Tiktok元CEO、Pirate of Caribbeanのディレクター等)を実際にゲストスピーカーに呼んで、爆速で変化していくビジネスの波に飲まれながら、彼らがどうそれを新たなビジネスアイデアで乗り切った等の体験談を聞ける等、授業自体密で豪華なラインアップがそろっている。

 

この他に元 Sony Pictures EntertainmentのCEOで現Mandalay Pictures社長のPeter Guberによる授業などがあります。また、MBAプログラムの一環ではありませんが、Film Schoolのちょっと変わったサマープログラムProfessional Program in Producingは、Film Schoolの年間を通じたプロデューサー養成プログラムの短期集中版で、3ヶ月間、週4回、月-木の夜7時-10時にわたって行なわれます。世界各国からハリウッドを目指す若者が集まって、ハリウッドの映画製作について、ディールメイキング、撮影予算、日程から映画のストーリー構成など多岐にわたって勉強します。講師は約2週ごとに各分野の現役バリバリの専門家が呼ばれ、ゲストスピーカーも非常に充実しています。(私の時はBen Affleckや Art Lison (The Untouchableのプロデューサー)など。)生徒の中にはすでに各分野で活躍している人もいたりして、授業外の色々な集まりではそんなプロデューサーの卵たちとの親交を深めることができます。

 

また、授業の他にも、EntertainmentのCertificateを管理する施設であるThe Center for Management of Enterprise in Media, Entertainment & Sports (通称MEMES) が、エンタメ関連のスピーカーシリーズやワークショップなど様々なイベントを開催しています。MEMESの公式サイトはこちらです。