1年生では「コア(Core)」と呼ばれる必修約10科目を履修する必要があります(とはいえ多くの学生は1年の冬学期あたりからelectiveも取り始めます)。例年、約70人で構成されるセクションが入学時に決定され、コア科目は、基本的にそのセクション毎に受講します。更にセクション内でラーニングチーム(5〜6人)が割り振られ、コア科目のグループ課題は、基本的にこのグループで回答します。以下、コア科目のご紹介です。

※Class of 2025の受講例です。年によって受講する学期が変わることがあります。

1年夏学期

Financial Accounting *1

講義主体。簿記・財務会計の基礎編。仕訳の方法、財務諸表の読み方、キャッシュフローの読み方及び作成方法等を学びます。退屈な授業になりがちな理論の説明も、経験談や有名な会社のFinancial statementを例に用いて分かり易く説明がなされます(Apple, Starbucks等)。 実際に各企業の10‐K(米国企業の財務諸表)を読むことができるようにもなり、業界研究・就職活動にも大いに役立ちます。

Organizational Behavior

​講義とケースディスカッションとの混合型の授業。各種論文から、分析の枠組を個々に把握し、その枠組を用いてケースを分析し、クラスディスカッションを行います。テーマは組織行動学の基礎を広く浅くカバーしており(興味のある分野は選択授業で深掘りできる)、意思決定、動機づけ、効率的なチーム構成及びその運営、バイアス、リーダーシップ、パフォーマンス・マネジメントとフィードバックの与え方、交渉術、倫理、組織内での権力構造と抵抗勢力にどうアプローチするか等が含まれます。

Foundations of Inclusive Leadership

夏学期の第1週目に開講される授業で、ケースディスカッションや野外での様々なアクティビティを通じて、リーダーシップやチームワークの基礎を学びます。最終課題として、自身のリーダーシッププランの提出が求められ、これから始まるAndersonでの目標設定を行います。

1年秋学期

Data and Decisions

確率論、期待値、記述統計、正規分布の等確率分布、母集団及びサンプルの統計的手法(標準偏差・平均値等)を用いた確率・リスク分析、サンプルから母集団の推定、サンプルをもとにした意思決定における信頼区間の判定、仮説検定、回帰、重回帰等を対象とする統計学の基礎を学んだうえで、Rを使って実際にコードを書きながら、実際のビジネスの場面でどのようにデータを使ってより良いbusiness decisionをするかを学ぶ授業です。ほぼ毎週の授業でRを使ってデータ分析を行う実践的授業になっています。

Managerial Economics *1

講義と議論主体。経営者の意思決定の観点から、ミクロ経済学の理論と現実の諸問題への応用を学ぶコース。Marginal Revenue(限界売上)及びMarginal Cost(限界費用)を用いた利潤最適化、消費者行動、需要関数及び需要弾力性(価格、競合・類似商品価格、収入レベル)、生産者行動、生産関数(資本と労働)、費用分析(固定費・変動費と短期費用・長期費用の最適化)、完全競争/独占・寡占・独占的競争と各市場での均衡・消費者余剰及び事業者利潤、情報の経済学及びゲーム理論等が対象。

Marketing Management *1 *2

講義とケースディスカッションとの混合型授業。様々な制約条件のもとで消費者嗜好に沿いつつ企業が最大利潤を確保するためのMarketing戦略(Strategy)の策定といったことに主眼をおいたマーケティングの入門コース。骨格となる3C(クラスによっては5C)、STP(Segmentation, Targeting, Positioning)、4P(Product, Price, Promotion, Place)の理論をケースを用いて議論します。講義では、実際の広告やTVコマーシャル等を視聴しながらディスカッションが進みます。グループ課題として、サンタモニカ&ベニスへの新規出店計画が課されることもあり、Marketingの基礎を実践的に学べます。

Foundations of Finance *1 *2

​講義主体のファイナンス基礎の授業ですが、グループ課題の発表の回では、活発な議論が求められます。投資に関連した基礎概念の習得に主眼を置いて講義が進められていきます。この講義でカバーされる内容は、債券・株式の評価法、Net Present Value、最適ポートフォリオ構築法、Capital Asset Pricing Model (CAPM)などです。

*1 :「Financial Accounting」、「Data and Decisions」、「Managerial Economics」、「Marketing Management」、及び「Foundations of Finance」は、入学直後の希望制の免除試験に合格することで受講が必須ではなくなります。受講しないことを決めた場合、空いたコマで1年生の夏学期からelectiveや他学部の授業を取ることが可能です。 

*2 :「Marketing Management」と「Foundations of Finance」は履修時期を選択できます。(原則秋学期と冬学期に1科目ずつ)

1年冬学期

Operations Technology Management

講義とケースディスカッションとの混合型。企業の最終目的は利益を上げる事という認識のもと、生産工程、サービス工程のオペレーションをどのように改善すれば利益を上げることができるか、マネジメントの視点から様々な理論、事例を学びます。生産性の解析、最適在庫理論、待ち時間理論などの基礎的な分析手法も習得します。製造といえば日本のお家芸というだけあって、ビジネスケースには日本の企業が多く登場し、トヨタ生産方式は毎年必ず取り上げられています。

Business Strategy

ケースディスカッション主体。企業が如何に競争優位を確立し、それを長期的に維持していくかという経営戦略全般を議論します。さまざまなフレームワークを学び、それらのフレームワークを応用しながらケース分析をします。Wal-Mart, Disney, Tesla, Netflixなど、日本人にとっても馴染み深いアメリカの代表的な企業からニッチ市場参入を成功させたベンチャー企業まで様々な企業の経営戦略を学ぶことができます。

1年春学期

Global Economics and Business Cycles

マクロ経済学を幅広く学ぶ講義主体の授業。秋学期に履修した「Managerial Economics」の学習内容に加え、各国中央銀行の役割、政策金利、インフレ率、為替、金融政策、財政政策などを学習し、ラーニングチーム単位で15分程度のグループプレゼンテーションを2回行う。日本人にとってはあまり馴染みのないFRBのこれまでの歩みや、アベノミクス等の各国の金融/財政政策の成功/失敗を議論したりと、かなり身が詰まった内容を学ぶことができます。

Foundations of Ethical Decision Making

ディスカッションが主体の授業。行動科学的アプローチで、倫理的行動を理解します。なぜ善良な人が時として誤った決断をしてしまうのか?このような類の問いの答えを探る。双方が瑕疵を抱えた状態で行う不動産売買の条件交渉のデモンストレーションや、ラーニングチーム内で各人がこれまで経験した倫理的判断が難しい経験をシェアし、行動や思考を分析し、どのような行動をとっていれば当時の環境でのベストな意思決定ができていたかを探り、今後同様なシチュエーションが起こった際にどうすれば柔軟に対応できるようになるかを分析したレポートを提出する。